去る2月10日~12日の3日間、ロンドンで“オペラハウスとコンサートホールの音響”に関するシンポジウムが開催され、これに参加する機会を得た。英国の音響学会(United Kingdom Institute of Acoustics)の建築音響グループにより企画・計画されたもので、3 年前にバーミンガムで同様のシンポジウムが開かれて以来、今回が2度目である。バーミンガムの時は、バーミンガム・シンフォニーホールのオープンに合わせてホールの見学会やコンサートなどを織り込んだ形でのシンポジウムであったが、今回はロンドン郊外のグラインドボーンのオペラハウスの完成に焦点を合わせたシンポジウムとなったものである。新オペラハウスのオープンに合わせたシンポジウムだけに、通常の学会等と異なって研究発表のテーマはコンサートホールやオペラハウスの音響に関するものが中心となり、内容も概論的なもの、レビュー的なものが多く、この分野に特に興味のある人だけが集まったといった感じであった。今回は合計90数吊の参加者があり、地元イギリスからの参加の他にアメリカや他のヨーロッパ諸国からの参加も結構多かった。前回は研究発表も含めて数人の日本からの参加者があったが、今回の日本からの参加は筆者だけであった。