これはアメリカの音響学者L.Beranekが彼の著書“Music, Acoustics & Architecture”の編纂にあたって、各国ホールの音響特性、現場での彼自身の聴取体験などをもとに編み出した手法で、その後、最近の音場研究の成果も加え、体系化したものである。その詳細は、彼の著書“Concert and Opera Halls, How They Sound”に記載されている。
彼の評価手法によれば、ウィーン楽友協会大ホール、ボストンシンフォニーホールのような幅の狭いシューボックス型ホールの響きが理想でランクA+、ベルリンフィルハーモニーのようなワインヤード型の空間はAにとどまり、A+にはなりえない。しかし、サントリーホールや札幌コンサートホール、それに最近ではW.ディズニーコンサートホールの評価が示すように、ワインヤード型のホールは今ではシューボックス型とは違った味の響きであることが音楽ファンや演奏家にも理解され、安定した評価を得ているのである。