次に改修の考え方であるが、質のよい均一な音を入場者にサービス (オーナーはエントランスでの入店の第一印象にことのほか気を使っておられる) することと、BGMが流れている中でのアナウンスの明瞭度の改善を目的として、現在のスピーカ配置をベースにしてスピーカとその出力系統を対象に改善を行うことを提案した。具体的には、お客の方向にスピーカを向けることと、現状のフルレンジだけのスピーカにサブウーハーを追加して周波数特性を低音側に拡張し、相対的に中・高音の音量レベルを下げるという方法である。すなわち、場内の音量を上げずに、むしろ下げる方向で必要な音量を確保しようという考え方である。そして、スピーカの相互干渉による音質の濁りを抑えるためにスピーカ駆動グループをできるだけ細かく分け、グループごとにDigital Signal Processor(DSP)を設置すること、傷みの激しいCDプレーヤやミキサーなどの更新もあわせて提案した。しかし、予算の制約から、今回はサブウーハー4台を島の上部に天井に向けて新設する他は、フルレンジ型スピーカについては現状のままの台数で配置の変更のみとし、CDプレーヤやミキサーの更新は次期の計画で考える、ということとなった。