目を海外業務に向けると、しばらく中断されていた Walt Disney Concert Hall (Los Angeles) のプロジェクトは、昨年12月8日にようやく起工式が執り行われた。2002年秋のオープンを目指してこの春頃から現場での業務が繁忙になるので体制を整えつつあるところである。施工監理業務になると、米国の建築材料、施工習慣、関連法規などについての詳しい知識、情報も必要となってくる。音響設計業務もボーダーレスの時代になりつつある。このホールが足掛かりとなって、米国はもとより、オーストラリア、中国、台湾、韓国、フィンランドなどのホール建設プロジェクトに係わることができた。今後この輪を積極的に広げていきたいと思っている。どのプロジェクトも音響設計技術に対する評価に加え、平等に参加の機会を与えてくれる懐の広さに感謝するとともに、逆の立場に立ったら法制や慣習による障壁なく同じようにフェアに対応できるのか、考えさせられるものがある。